「香港なら中国本土と違ってネットの規制はゆるいはず」。そう思ってChatGPTを開くと、あっさり断られます。 ただし理由は中国本土とは別です。政府が敷いた壁ではなく、提供元のOpenAIが香港をサービスの対象外に設定しているためです。 Google、LINE、X(旧Twitter)、Facebookは香港で普通に使えます。ChatGPTだけが、事業者側の判断で止まっている状態です。 この違いは、当サイトの実測にも表れています。7社のVPNの拠点を155カ国ぶん数えたところ、中国本土に拠点を置いているのは7社中3社でしたが、香港には7社すべてが拠点を持っていました。ネットワークの事情そのものは、本土とはっきり異なります。 香港ではChatGPTが使えない 香港国際空港や市内のWi-Fiから開こうとすると、「ChatGPT is not available in your country」や「Unable to load site」というエラーが出て、ログイン画面にすらたどり着けません。 この記事では、香港からChatGPTを使うための手順と、選ぶときに見るべきところをまとめます。 香港でChatGPTを使うための2つの方法 この制限を越える方法は、大きく2つです。 どちらが向いているかは、滞在の長さで決まります。 香港でChatGPTを使う主な手段 VPNサービスを契約して別国のサーバー経由でアクセスする 日本の携帯キャリアの海外ローミングを活用する それぞれの中身、かかる費用、向いている人を順に説明します。 日本の携帯ローミングを使う方法 VPNの契約や設定が面倒だと感じるなら、いま持っているスマートフォンの海外ローミングを使うのがいちばん手軽です。 日本の通信会社を経由してインターネットにつながるので、日本にいるときと同じようにChatGPTを使えます。 大手3社はいずれも海外向けの定額サービスを出していますが、1日あたりの金額は決して小さくありません。 主要キャリアの海外ローミング料金の目安 au:980円/日(世界データ定額・事前予約なしの場合)※参照:au公式ページ ドコモ:980円/日(24時間プランの場合)※参照:ドコモ公式ページ ソフトバンク:1,980円/日(10MBまで)※参照:ソフトバンク公式ページ ahamo(アハモ)なら追加料金ゼロで海外ローミング可能 費用の面で目を引くのが、NTTドコモ系列のahamo(アハモ)です。 月額2,970円(税込)に含まれる30GBが、そのまま海外でも使えます。 つまり、追加の料金を払わずに、海外でもスマートフォンをそのまま使えるということです。 (出典:https://ahamo.com/news/fhqhpm0000000bsx.html) 基本プランには5分以内の通話が何度でも無料という条件も付いています。海外でのデータ通信は15日を上限として、国内と同じ容量を使えます。 現地でWi-Fiルーターを借りたりSIMカードを買ったりする手間が省けるので、出張の多い方に選ばれています。 ahamoが向いているのは、次のような場合です。 ahamoの利用を特におすすめしたいケース ちょうど携帯の買い替えや機種変更を検討しているタイミング 現在のキャリア契約の更新月が近づいている 海外出張や旅行の頻度が高く、そのたびにWi-Fiルーターを借りるのが煩わしい ドコモをお使いなら、身分証とクレジットカードだけで当日中に切り替えられます。他社からの乗り換え(MNP)でも、ショップでMNP予約番号を取れば手続きを進められます。 ただし上限は15日です。それより長く滞在するなら、次のVPNのほうが向いています。 VPNを使えば香港からChatGPTが使用できる理由 VPN(Virtual Private Network)は、インターネットの上に自分専用の通り道を作る技術です。 アプリを起動してChatGPTが使える国のサーバーを選べば、香港にいながら、日本やアメリカから接続しているのと同じ扱いになります。 無料のVPNもありますが、ChatGPTのように毎日使うものの経路としてはおすすめしません。VPNは通信をまるごと預ける相手です。無料で提供されている以上どこかで採算を取っているはずで、その方法が公表されていない会社もあります。 判断の材料になるのは、第三者による監査を受けて結果を公開しているかどうかです。当サイトが調べている7社のうち、監査を公表しているのは5社。通信記録を残さないという方針そのものを対象にした監査まで受けているのは3社(NordVPN・Surfshark・Private Internet Access。いずれもDeloitte)でした。 香港でChatGPTが実際に使えるおすすめVPN VPNは数多くありますが、この用途で見るところは絞られます。つなぎ先の国に拠点があるか、都市を選べるか、日本語で問い合わせられるかの3つです。 当サイトが7社の拠点を数えたところ、日本には7社すべてが拠点を持っていました。ただし都市を2つ以上選べるのは7社中4社です(ExpressVPNが4都市、NordVPN・Mullvad・Private Internet Accessが2都市)。つながらなかったときに別の都市へ逃げられるかどうかが、ここで分かれます。 問い合わせの窓口まで日本語があると公表しているのは、7社のうち2社(NordVPNとSurfshark)でした。 これらを踏まえて、次の3社を挙げます。 ExpressVPN:接続速度と安定性で業界最高水準 NordVPN:コストと機能のバランスに優れた定番サービス Surfshark:接続台数無制限で家族・複数デバイスに最適 VPNを使って香港からChatGPTにアクセスする手順 ExpressVPNを例に、香港からChatGPTにつなぐまでの流れを見ていきます。 次の3つで終わります。 STEP1:VPNアプリをインストールする 使うVPNの公式サイトを開いて、アカウントを作ります。 料金プランと支払い方法を選んだら、端末(iPhone・Android・パソコン)に合ったアプリをダウンロードしてください。 ここまでは、たいてい10分もかかりません。 STEP2:日本のサーバーに接続する アプリを起動してログインし、サーバーの一覧か検索欄から「日本」を選んでつなぎます。 つながった時点で、端末が外に見せているIPアドレスが日本のものに変わります。 うまくいかないときは、同じ日本の中で別の都市を選び直してみてください。都市が1つしかない会社の場合は、通信の方式(プロトコル)のほうを切り替えます。 STEP3:ChatGPTにアクセスして通常通り利用する VPNにつないだままChatGPTのURLを開くと、日本国内と変わらない画面が出ます。 あとは普段どおりに使うだけです。 接続を切ればすぐ香港のIPアドレスに戻ります。通信はVPNのサーバーを経由するぶんだけ遠回りになるので、使い終わったら切っておくと、他のサイトの表示が軽くなります。 香港でChatGPTを使う際によくある疑問 VPN経由で接続した場合、ChatGPTの機能に制限はかかりますか? 上の手順でつながれば、日本国内で使うときと機能の差はありません。 GPT-4oの利用、画像の生成、ファイルのアップロードなど、契約しているプランで使えるものはそのまま使えます。 香港の電話番号でChatGPTの有料プランに登録できますか? できません。ChatGPTの有料プラン(ChatGPT Plusなど)に新しく登録するときは電話番号の入力が必要ですが、香港の番号を入れると「OpenAI's services are not available in your country.」と表示されて先に進めません。 有料プランに入るなら、日本の電話番号など、対応している地域の番号を使ってください。 ただし、すでに別のアカウントで使った番号は使い回せません。 使用済みの番号を入れると「This phone number is already ...