
海外に出たとき、通信をどうするかは旅の快適さに直結します。ポケットWi-Fiを借りる、現地SIMを探す、あるいはそのままローミングで済ませる——選択肢はいくつかありますが、手間とコストを天秤にかけると、意外と悩ましいものです。
ahamo(アハモ)のデータローミングは、日本で契約している月額プランの通信容量(30GB)を海外でもそのまま使えるのが特徴です。追加料金が発生しない点で、短期渡航者にとってはかなり合理的な選択肢になります。
とはいえ「本当に使えるの?」「速度はどうなの?」という疑問は当然わきます。この記事では、VPN LIFEのチームが実際に複数の国でahamoの接続検証を行った結果をもとに、海外利用のリアルをお伝えします。
検証した国と地域
今回検証したのは、シンガポール、タイ(バンコク)、ベトナム(ホーチミン)、マレーシア(クアラルンプール)、フィリピン(マニラ)、韓国(ソウル)、台湾(台北)、香港の合計8か国・地域です。
VPN LIFEは、グローバルビジネスを手がけるSNIチームによって運営されており、メンバーが実際に現地へ渡航し、そのつど通信環境を確認しています。
結論から言えば、いずれの国でも通信自体は問題なく行えました。速度や安定性については後述しますが、旅行や出張で必要な用途をカバーできる水準は確保されていました。
海外でahamoを使うための設定手順
設定は非常にシンプルで、iPhoneの場合は以下の流れで完了します。
- 「設定」→「モバイル通信」を開く
- 「通信のオプション」を選択する
- 「データローミング」をONにする
- 「モバイル通信」に戻り「ネットワーク選択」を確認する
- 接続が不安定な場合は「自動」を解除し、手動でキャリアを選ぶ
Androidの場合は機種によって操作画面が異なるため、メーカーまたはahamoの公式ガイドを確認してください。
自動接続でほとんどの場合は問題ありませんが、電波が不安定なエリアでは手動によるキャリア選択が有効です。ドコモ公式の「国際ローミング対応エリア」ページから、各国で選択可能なキャリア一覧を確認できます。
また、データローミングをONにした状態でテザリング機能を有効にすれば、ノートPCやタブレットもスマホ経由でネットに接続できます。荷物を減らしたい出張者には特に便利な使い方です。
日本のサービスに海外からアクセスできる
データローミングを使うと、通信が日本のネットワークを経由するため、IPアドレスが日本として認識されます。これにより、通常は海外からアクセスできない国内向けサービスも利用可能になります。
たとえば以下のようなサービスは、通常の海外接続では利用できませんが、ahamoのデータローミング経由であれば使えるようになります。
海外からアクセスできないが、ahamoローミングで利用可能になるサービス
| カテゴリ | 主なサービス |
|---|---|
| 動画配信 | U-NEXT、TVer、ABEMA、Lemino、NHKプラス、FODプレミアム、dアニメストア、ニコニコ動画など |
| 音楽・ラジオ | radiko、レコチョク |
| 電子書籍・マンガ | 楽天マガジン、ピッコマ、LINEマンガ |
| フリマ・ショッピング | メルカリ、ラクマ、セカイモン |
| 決済・交通 | PayPay、楽天Edy、えきねっと |
| ゲーム | ウマ娘、ドラクエ10、呪術廻戦ファントムパレード、DMM GAMESなど |
| マッチング他 | ペアーズ、with、Omiai など |
ただし動画を長時間視聴すると通信容量の消費が早くなるため、ホテルのWi-Fiと使い分けることをおすすめします。
実名登録なしで即使えるのも利点
香港や台湾など一部の地域では、現地SIMを使う際にICCIDやパスポート情報を登録する「実名登録」が求められます。手続き自体はそれほど複雑ではありませんが、到着直後の慌ただしいタイミングに行うのは少し手間です。
ahamoのデータローミングはこの手続きが一切不要。データローミングをONにするだけで通信を開始できます。到着後すぐに地図を開いたり、交通情報を調べたりできるのは、実際の旅行・出張では地味に助かります。
海外でahamoを使う前に知っておきたい3つの制約
5G利用は連続15日が上限
ahamoの海外データローミングで5G通信を使えるのは、連続して最大15日間までです。この期間を超えると通信速度が128kbpsに制限され、SNSの閲覧や地図の読み込みでさえ厳しくなります。動画視聴は事実上不可能です。
制限を解除するには、いったん日本に帰国してデータ通信を行う必要があります。リセットされれば再び海外で最大15日間の5G利用が可能になります。
2週間以上の連続滞在が予定されている場合は、現地eSIMや別の通信手段との併用を検討してください。
速度は日本より落ちる場合がある
データローミングは通信が日本経由になる分、レイテンシ(応答速度)が高くなりやすく、ダウンロード速度も日本国内より遅く感じることがあります。
参考として、各国での実測値は以下のとおりです(VPN LIFEスタッフによる検証)。
| 検証地 | ダウンロード速度(目安) | 実用評価 |
|---|---|---|
| シンガポール | 一般的な用途で十分な速度 | YouTube視聴も可能 |
| 韓国 | 良好 | 地図・SNS問題なし |
| 台湾 | 良好 | 動画もおおむね視聴可 |
| タイ | やや変動あり | 情報収集・連絡用途は快適 |
移動中や外出先での情報収集・メッセージ送受信であれば不満を感じる場面はほぼありませんでした。接続が不安定に感じたときは、手動でキャリアを切り替えると改善することがあります。
海外での利用も月間容量を共有する
ahamoの標準プランは月30GBで、日本と海外の利用分が合算されます。大盛りオプション(110GB)を契約していても、海外ローミングで使えるのは30GBまでです。
5日間の海外滞在で、日中はデータローミング・夜間はホテルのWi-Fiを使った場合、消費量はかなり抑えられる傾向にあります。帰国後の残量不足を防ぐためにも、宿泊先のWi-Fiを積極的に活用することをおすすめします。
こんな人にahamoの海外ローミングが向いている
- 日本で使っているスマホのまま、手続きなしで海外でもネットを使いたい人
- 年に数回、短期の海外出張や旅行がある人
- 現地SIMの購入やポケットWi-Fiのレンタルを手間に感じている人
- 日本の動画・アプリサービスを海外でも継続して使いたい人
逆に、2週間を超える長期滞在や、大容量の通信が必要な用途には、現地eSIMとの組み合わせを検討する価値があります。
よくある質問
海外で電話をかけると料金はかかりますか
はい、音声通話は国際料金が別途発生します。LINEやWhatsAppなどのアプリ通話を活用すれば、データ通信のみで無料で通話できます。
海外でテザリングは使えますか
使えます。データローミングをONにした状態であれば、日本と同様にテザリング機能を利用できます。PCやタブレットをスマホ経由でネットに接続させることも可能です。
大盛りオプション契約中の場合、海外での通信量の扱いはどうなりますか
大盛り(110GB)契約中でも、海外でのデータローミングに使えるのは上限30GBです。残りの80GBは海外では利用できない点にご注意ください。
複数の国を移動しながら使えますか
問題なく使えます。たとえばベトナムで数日過ごした後にマレーシアへ移動するといった使い方も可能で、VPN LIFEのスタッフも実際に複数国をまたいだ連続利用を確認しています。ただし5G通信の連続利用は合計15日が上限となるため、長期の周遊旅行では注意が必要です。
接続が不安定なときの対処法は
まずは手動でキャリアを選択し直すことを試してください。自動接続では最適なキャリアに切り替わらない場合があり、手動選択によって速度や安定性が改善するケースが複数回確認されています。
通信容量を節約する方法はありますか
外出先ではデータローミング、ホテルや宿泊先ではWi-Fiを使い分けるのが最も効果的です。使用しないタイミングではデータローミングをOFFにする習慣もあわせて有効です。なお、ホテルのWi-Fiは国によってはネット制限の対象になる場合があるため、そのような環境ではVPNの利用も検討してください。
ahamoを使う際にVPNは必要ですか
ahamoのデータローミング使用中はVPN不要です。ただしホテルのWi-Fiに切り替えた際、日本のサービスにアクセスできなくなる場合があります。そのような場面ではVPNを併用することで解決できます。外出中はローミング、宿泊先ではWi-Fi+VPNという使い分けが通信容量の節約にもなります。
15日の制限はどうすれば解除できますか
日本に戻り、国内でデータ通信を行うと制限が解除されます。解除後に再び渡航した場合は、また最大15日間の5G通信が利用可能になります。
15日を超えて滞在する場合、ahamoだけでは対応できませんか
長期滞在の場合、15日を過ぎると速度制限がかかるため、ahamoのみでの運用は厳しくなります。音声通話が不要であれば現地eSIMをデータ専用として追加契約する方法が現実的です。ahamoは日本用・eSIMは現地用と役割を分担させると、コストを抑えながら安定した通信環境を維持できます。
まとめ
ahamoのデータローミングは、シンガポール・タイ・ベトナム・マレーシア・フィリピン・韓国・台湾・香港のいずれでも問題なく動作することをVPN LIFEのチームで確認しました。
追加料金なし、設定はデータローミングをONにするだけ、実名登録も不要——という手軽さは、頻繁に海外へ出かける人にとって大きな強みです。15日以内の短期滞在であれば、ポケットWi-Fiや現地SIMを用意するよりもシンプルで快適な選択肢になるでしょう。
月額2,970円で、eSIM契約なら最短即日から利用できます。渡航の予定がある方は、ぜひ一度検討してみてください。