
中国に着いて初めて気づく方も多いのですが、現地のネットワークは「グレート・ファイアウォール」と呼ばれる国家規模の検閲の仕組みで管理されており、Google、YouTube、LINE、X(旧Twitter)といった国外のサービスは原則として開けません。
出張でも駐在でも旅行でも、普段どおりのインターネットを確保したいならVPNが要ります。
ただし当局はVPNへの締め付けも年々強めており、海外で評判の高いサービスでも中国国内では動かない例が増えています。
昨日まで問題なく使えていたのに、今日から急につながらない。これは珍しいことではありません。
この記事の数字について
- 調べているVPN 7社
- サーバーのある場所 157の国と地域を、毎日数え直しています
- 通信速度 14都市で、実機を使って自分たちで計測しています
各社の発表をそのまま書き写したものではありません。サーバーの台数と拠点の数は、各社が公開している一覧をそのまま数えたものです。実測が済んでいない項目には推定値を入れず「計測中」と書いています。取り方はデータの取り方と検証方法にまとめています。
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なぜ中国でVPNが「使えない」のか

中国の規制は、番号を止めるだけの単純なものではありません。VPN特有の通信の形を自動で見分けるディープパケットインスペクション(DPI)という技術が組み込まれています。
そのため、一般的な方式をそのまま使っているサービスは見つかりやすく、党大会や国際会議のように政治的に注目の集まる時期には、締め付けがさらに強まる傾向があります。
中国で通るVPNには、この見分けをかわすための難読化の技術と、規制の変化に素早く追随できる運用の体制が要ります。
★ ここでひとつ、取り違えの多い点があります。
「中国にサーバーのあるVPNを選べばよい」と考えてしまうことです。実際は逆で、中国で要るのは中国の外にあるサーバーです。国内のサーバーにつないでも、検閲の内側にいることに変わりはありません。
当サイトは各社の公式サーバー一覧を毎日取り直しています。この地域の内訳は次のとおりでした(2026年9月4日時点)。追いかけている7社のうち中国本土に拠点を公開しているのは3社ですが、そこは選ぶ基準になりません。見るべきは接続先のほうです。
接続先として見るべき国と、拠点のある会社の数
- 日本:7社すべて(計13都市)——日本のサービスを開くならここ
- 香港:7社すべて(計7都市)——距離が近く、遅延が出にくい
- シンガポール:7社すべて(計10都市)——香港が混むときの逃がし先
- 中国本土:7社中3社(各1都市)——ここに拠点があっても意味はない
拠点の有無で会社を絞る必要はない、というのがこのデータの読み方です。分かれ目は、規制への対応の速さと、実際に中国で通ってきた実績のほうにあります。
関連記事:中国でのVPN利用は違法か?VPNが規制されている理由も紹介
検証で接続が困難だったVPN

前提として押さえておきたいのは、世界的な知名度や評価の高さが、中国での動作を保証しないということです。
次のサービスについて、中国国内から安定してつながらなかったという声が多く寄せられています。
接続不可と判定したVPN
いずれも専用アプリから複数回つなぎに行きましたが、接続の途中で処理が止まり、通信を確立できませんでした。
複数の都市・複数の回線で確かめた結果なので、確度は高いと考えています。
ネット上には「使える」としている情報もありますが、少なくともVPN LIFEの現地での検証では、安定して使うことはできませんでした。
関連記事:NordVPNは中国で繋がらない?公式見解と実施検証
中国で効く機能を、公式の機能一覧から数えた
中国で通るかどうかを分けるのは、通信の形を隠す難読化の機能です。当サイトが各社の公式サイトから機能の一覧を取り込めている5社について、難読化とキルスイッチを挙げているかを数えました。拠点の数は、各社が公式に出しているサーバー一覧を毎日取り直したものです(2026年9月5日時点)。
|
VPN |
難読化の機能 |
キルスイッチ |
香港 |
日本 |
シンガポール |
|---|---|---|---|---|---|
|
NordVPN |
○ |
○ |
1都市 |
2都市 |
1都市 |
|
Surfshark |
○(カモフラージュモード) |
○ |
1都市 |
1都市 |
1都市 |
|
Private Internet Access |
○ |
○ |
1都市 |
2都市 |
2都市 |
|
Mullvad VPN |
○(難読化・検閲回避) |
− |
1都市 |
2都市 |
1都市 |
|
Windscribe |
− |
− |
1都市 |
1都市 |
1都市 |
※機能の欄は、各社が公式の機能一覧に名前を挙げているかどうかです。書かれていない会社に機能が無いとは限りません。
機能の一覧を公式に出している5社のうち、難読化を挙げているのは4社、キルスイッチを挙げているのは3社でした。
中国から使うときのつなぎ先になる香港・日本・シンガポールは、当サイトが追いかけている7社すべてが拠点を公開しています。差が出るのは都市の数で、日本で2都市以上を選べるのは4社、シンガポールで2都市以上は2社でした。1か所しか無い会社では、弾かれたときに同じ国の別の場所へ逃がせません。遮断が日ごとに変わる中国では、この逃げ道の数がそのまま使えた日数になります。
中国現地で使えるおすすめVPN3選
長く現地で確かめてきた結果、VPN LIFEが中国での利用に自信を持って挙げられるのは次の3つです。
ExpressVPN:接続速度と安定性で業界最高水準

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内容 |
|---|---|
|
本社所在地 |
英領バージン諸島 |
|
月額料金(2年プラン) |
$4.49〜/月 |
|
返金保証 |
30日間 |
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サーバー台数 |
3,000台以上 |
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対応国数 |
113カ国 |
|
同時接続台数 |
10〜14台(プランによる) |
|
日本語対応 |
アプリ・サポートともに対応 |
全世界で400万人以上が利用するExpressVPNは、VPN LIFEの速度検証で常にトップクラスの数値を記録しています。
一般的なVPNアプリは起動から接続完了まで30〜60秒かかりますが、ExpressVPNはその工程をわずか10秒ほどで完了。
毎日使うツールとしてのストレスのなさは、長期利用者からも高い評価を得ています。
地域制限への対応力も高く、4K動画の視聴でも品質低下を感じにくい通信速度を維持。
中国からの接続実績においても安定していると評価されており、渡航先を問わず使えます。
ExpressVPNのメリット・デメリット
-
通信速度・安定性ともに業界トップクラス
-
アプリの起動から接続まで最速10秒程度
-
113カ国のサーバーに対応し、用途の幅が広い
-
ノーログポリシーを採用し、通信履歴を保持しない
-
ビットコインによる匿名支払いに対応
-
日本語でのサポートにも対応
-
他社と比べると月額料金はやや高め
\【VPN LIFE特典】/
3ヵ月の無料期間が追加でもらえる!
12vpn(12vpx):規制への対応力が光る中国向けVPN

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内容 |
|---|---|
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本社所在地 |
オランダ |
|
料金 |
月額プラン:$27.99/月 年間プラン:$12.50/月 2年プラン:$10.00/月 |
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返金保証 |
14日間 |
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サーバー設置国 |
31カ国 |
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同時接続台数 |
6台(同一サーバーへの同時接続は不可) |
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日本語対応 |
なし(英語のみ) |
12VPNはオランダを拠点とするVPNプロバイダで、中国からの利用実績において長年安定した評価を維持しています。
最大の特徴は、中国国内からでも申し込みが可能な専用アクセスリンク(https://blockthis.xyz/)を用意している点です。
他のVPNサービスは公式サイト自体がブロックされているため、現地到着後に契約しようとしても手詰まりになりますが、12VPNはこの問題を解決しています。
インターフェースや公式ドキュメントは英語のみですが、Chrome翻訳やDeepLを併用すれば内容の把握に困ることはないでしょう。
規制環境の変化に対するサポートの対応速度が速く、問題が発生した際の修正も比較的早いとユーザーから評価されています。
12VPNのメリット・デメリット
- 規制強化への対応が迅速
- 中国国内から契約・申し込みができる
- 同時接続台数が6台と多め
- Google Chrome拡張機能から操作可能
- サポートの応答品質が高い
- サポートが英語のみ
\ 中国国内から/
\ 中国国外から/
UCSS:通信品質に妥協したくない人のための最速VPN

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内容 |
|---|---|
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本社所在地 |
韓国 |
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料金 |
UCSS Lite:$29.00/月 UCSS(3ヵ月):$12.00〜$70.00/月 UCSS(12ヵ月):$9.00〜$52.50/月 |
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返金保証 |
なし |
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サーバー設置国 |
18カ国以上 |
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同時接続台数 |
3台(Liteプランは2台) |
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日本語対応 |
あり |
UCSSは韓国のセキュリティ企業が運営するサービスで、厳密にはVPNではなくShadowsocksプロトコルを採用したプロキシサービスです。
Shadowsocksは一般的なVPNよりもトラフィックパターンを通常のHTTPS通信に近づけられるため、グレートファイアウォールに検出されにくい特性があります。
日本人技術スタッフが常駐しているとされており、カスタマーサポートも日本語で対応しています。
通信速度と安定性に優れており、4K動画のストリーミングやオンラインゲームといった帯域を消費する用途でも満足できるパフォーマンスを発揮します。
ただし、データ通信量に上限が設けられており、返金保証や無料トライアルがない点は導入前に理解しておく必要があります。
UCSSのメリット・デメリット
- 中国での利用に最適化された設計
- 通信速度と安定性が突出して高い
- 日本語サポートが充実している
- セキュリティレベルが高い
- 多様なデバイスに対応
- 料金が他サービスと比べて高め
- データ通信量の上限がある
- 無料トライアル・返金保証がない
- 同時接続台数が少ない
\ 日本語サポートにも対応!/
中国からVPNを使って日本のサービスを利用するための手順
準備そのものは大がかりではありません。
ここではExpressVPNを例に、日本のサービスを開くまでを順に追います。
STEP1:VPNアプリをインストールする

まず公式サイトでアカウントを作ります。
契約するプランと支払い方法を決めたら、手元の端末(iPhone・Android・PC)に合うアプリを取得してください。
★ この作業は、日本にいるあいだに済ませてください。中国に着いてからでは、公式サイト自体が開けない場合があります。
STEP2:日本のサーバーに接続する

アプリにログインしたら、国の一覧か検索欄から「日本」を指定して接続します。
つながった時点で、その端末が外に出るときの番号が日本のものへ切り替わります。
日本が混んでいるときは、香港やシンガポールに逃がすという手もあります。先に見たとおり、この2か国も7社すべてが拠点を公開しています。
STEP3:使いたい日本のサービスにアクセスして動画を再生する

接続を保ったまま、開きたい日本のサービスのサイトかアプリを立ち上げ、いつもどおりログインします。
海外からTVerが見られるようになる

見ているあいだは接続を切らないでください。
途中で切れると番号が滞在国のものに戻り、その瞬間に止まります。
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中国でVPNを2本契約すべき理由
接続先の国に拠点があるかどうかは、当サイトが毎日数えています。香港・日本・シンガポールはいずれも7社すべてが拠点を持っていました。都市の数まで見ると、日本はExpressVPNが4都市、NordVPN・Mullvad・Private Internet Accessが2都市、シンガポールはExpressVPNが3都市、Private Internet Accessが2都市です。1か所しか無い会社では、弾かれたときに同じ国の別の場所へ逃がせません。中国のように遮断が続く環境では、この差が効いてきます。
もうひとつ見ておきたいのが「キルスイッチ」です。VPNの接続が落ちた瞬間に通信をまとめて止める機能で、これが働かないと、切れたことに気づかないまま本来のIPアドレスで通信が続きます。当サイトが調べている7社のうち、機能の一覧を公式に出しているのは5社。その5社のうち3社が、キルスイッチを名前で挙げています。
中国の検閲は、決まった規則で静かに動いているわけではありません。政治や社会の動きに連動して、日ごとに変わります。
ある日いきなり、使っていたVPNが遮断の対象に入る。これは実際によくあることです。
1本しか持っていない状態でそれが止まれば、仕事の連絡もオンラインの会議も業務のシステムも、まとめて止まります。
代わりが無ければ、復旧まで数日かかることもあります。
VPN LIFEが中国に住む方・長く滞在する方に勧めている組み合わせは次のとおりです。
中国滞在中の推奨VPN構成
- メイン(常時接続用):ExpressVPN ―― 規制変化への対応速度が高く、安定性重視の日常利用に最適
- サブ(速度重視・保険用):12VPX ―― 高速通信が必要な場面や、メインが一時的に不調なときのバックアップとして
2本あれば、片方が止まってももう片方へすぐ移れます。
費用は増えますが、インターネットを止めないための保険と考えれば、十分に見合う投資です。
短期滞在ならeSIMやローミングという選択肢も

数日の旅行で、使うのがスマートフォン中心であれば、VPN以外の道も現実的です。
海外向けのeSIM(Sailyなど)や、日本の「ahamo」の国際ローミングは、中国の検閲の仕組みを通らない海外の回線を使います。そのためVPNのアプリを一切入れずに、GoogleやSNSを開けます。
関連記事:中国で使えるアプリと使えないアプリ一覧!VPNは必要?eSIMだけで大丈夫?
準備の手間が少なく、渡航の前に日本で整えられる点も利点です。
滞在の長さと使い方に合わせて選んでください。


