
VPNの契約画面には、だいたい「広告ブロック」と書かれた項目があります。
NordVPNならThreat Protection、SurfsharkならClean Web、Private Internet AccessならMACE。名前はばらばらですが、説明文はどれも「広告とトラッカーとマルウェアを遮断します」です。
同じ説明文なら中身も同じだろう、と思ってしまいます。
実際には、止める仕組みも、使っているブロックリストも、使える端末も、入っているプランも違います。
この記事は、8社の公式ページと、当サイトが毎日取得している各社の料金ページを突き合わせて、その違いを一覧にしたものです。
先に、いちばん大事なところを書いておきます。
ブロックリストの中身まで公表しているのは8社中3社だけでした。
そして公表している1社は、使っているリストが1本だけで、更新は月に1回だと自分で書いています。
この記事の数字について
- 調べているVPN 7社
- サーバーのある場所 157の国と地域を、毎日数え直しています
- 通信速度 14都市で、実機を使って自分たちで計測しています
各社の発表をそのまま書き写したものではありません。サーバーの台数と拠点の数は、各社が公開している一覧をそのまま数えたものです。実測が済んでいない項目には推定値を入れず「計測中」と書いています。取り方はデータの取り方と検証方法にまとめています。
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広告ブロック機能は、どの社も同じ場所で止めている
各社の説明は言葉づかいが違いますが、やっていることは共通です。DNSの段階で止めています。
ブラウザでページを開くと、本文の画像やスクリプトのほかに、広告や計測のためのファイルが別のドメインから読み込まれます。
読み込む前に、ブラウザは「そのドメインのIPアドレスを教えてほしい」とDNSサーバーに尋ねます。
VPNの遮断機能は、この尋ねたところで嘘の答えを返します。
Private Internet Accessは自分自身を指す127.0.0.2を返すと公式の解説に書いています。Mullvadは「そんなホストは存在しない」と答えると書いています。どちらでも結果は同じで、広告は読み込まれません。
ブラウザの拡張機能とは、止める場所が違う
広告ブロックといえば拡張機能を思い浮かべる方が多いと思います。あちらはページの中身を見て要素を消す方式で、止める場所がまったく違います。
|
比べるところ |
ブラウザの拡張機能 |
VPNの遮断機能 |
|---|---|---|
|
止める場所 |
ブラウザの中(ページの要素) |
DNS(名前を引くところ) |
|
効く範囲 |
入れたブラウザだけ |
その端末のアプリ全部 |
|
拡張が入らない機器 |
使えない(テレビ・ゲーム機など) |
アプリがあれば使える |
|
ページの中に埋まった広告 |
消せる |
同じドメインから来ると消せない |
|
VPNへの接続 |
不要 |
つないでいる間だけ効く |
※各社の公式解説(2026年10月9日に当サイトが確認)と、一般的な拡張機能の動作をもとにした当サイトの整理です。
最後の行が、いちばん見落とされます。
VPNの遮断機能は、VPNを切っている間はまったく働きません。Private Internet Accessは公式ページに「MACEを使うにはVPNに接続している必要があります」とはっきり書いています。
同じドメインから配られる広告は止まらない
DNSで止める方式には、構造上の限界があります。本文と同じドメインから配られる広告は、ドメイン単位では切り分けられません。
これを自分の公式ページに書いている会社があります。Mullvadは、DNSによる遮断では広告とトラッカーを全部は止められず、例としてYouTubeの広告は止められないと明記したうえで、ブラウザ側の拡張機能を併用するよう勧めています。
YouTubeの広告を消したい場合にどうするかは、YouTubeの広告を消す方法で端末別にまとめています。
8社の遮断機能を一覧にしました
各社の公式ページを1本ずつ開いて、機能名・仕組み・公表しているブロックリスト・更新頻度・対応端末を書き出しました。

|
VPNサービス |
機能名 |
使っているブロックリスト |
更新の頻度 |
|---|---|---|---|
|
NordVPN |
Threat Protection |
公表されていません |
公表されていません |
|
Surfshark |
Clean Web |
公表されていません |
公表されていません |
|
ExpressVPN |
悪質なサイトをブロック/トラッカーをブロック |
公表されていません |
「定期的に更新」とだけ書かれています |
|
CyberGhost |
コンテンツブロッカー |
公表されていません |
公表されていません |
|
Private Internet Access |
MACE |
公開リスト1本(pgl.yoyo.org のadserversリスト) |
月に1回確認すると明記 |
|
Proton VPN |
NetShield |
公開リスト5本と自社のリストを併用 |
「継続的に見直す」とだけ書かれています |
|
Mullvad |
DNSコンテンツブロッカー |
公開リストを束ねたもの。内訳をGitHubで公開 |
公表されていません |
|
Windscribe |
R.O.B.E.R.T. |
複数の公開リストを束ねた自社リスト |
設定の変更は即時反映と明記 |
※各社の公式ページを当サイトが2026年10月9日に読んで書き出したものです。「公表されていません」は、当サイトが確認した範囲に記載が無かったという意味で、社内で管理していないという意味ではありません。
ブロックリストまで公表しているのは3社だけ
8社のうち、どのリストを使っているかまで書いているのはPrivate Internet Access・Proton VPN・Mullvadの3社でした。残る5社は、機能の名前と効果は書いていますが、元になるリストには触れていません。
ここは好みが分かれるところです。公表していないことが手抜きとは限らず、リストを公開すると広告側に回避されるという考え方もあります。ただ、何がどれだけ止まるのかを自分で確かめたい人にとっては、公表されているほうが調べようがあります。
公表している1社は、リストが1本・更新は月1回
意外だったのはここです。公表しているからといって、手厚いとは限りませんでした。
Private Internet Accessは公式のサポート記事で、自分の使っている公開リストを1本だけ挙げ、そのリストの更新を確認する頻度は月に1回だと書いています。さらに、自社で追加したブロック規則を使っているかという質問に対して、使っていないと答えています。
一方のProton VPNは、用途ごとに使っている公開リストの名前を挙げています。マルウェアとフィッシング向けに3本、トラッカー向けに1本、広告向けに3本で、重複を除くと5本です。そのうえで、自社の脅威分析にもとづく独自のリストも併用していると書いています。
公表されている中身の差
- Private Internet Access:公開リスト1本・月1回確認・自社の追加規則は無しと明記
- Proton VPN:公開リスト5本+自社の脅威分析によるリストを併用
- Mullvad:公開リストを束ねた「テーマ別」のリストで、内訳をGitHubで公開
- Windscribe:広告とトラッカーのリストはEasylistの4倍の規模だと記載
名前の響きで選ぶと、ここが逆になります。
MACEという名前はいかにも強そうですが、中身は公開リスト1本です。
iPhoneで使えない機能があります
対応端末も各社で違いました。とくにiPhoneは要注意です。
|
VPNサービス |
iPhone・iPad |
公式が挙げている対応先 |
|---|---|---|
|
Surfshark |
対応 |
iOS・macOS・Android・Windows・Linux・Fire TV・Apple TV |
|
ExpressVPN |
対応 |
Windows・macOS・Android・iOS・Linux ほか2種類 |
|
Proton VPN |
対応 |
Windows・macOS・Android・Android TV・iOS ほか2種類 |
|
Private Internet Access |
一覧に入っていません |
Windows・Mac・Linux ほか3種類(iOSの記載なし) |
※各社の公式ページに書かれている対応先の一覧です(2026年10月9日に当サイトが確認)。Private Internet Accessの公式サポート記事には、MACEが使えるアプリとしてWindows・Mac・Linux・Android・Android TV・Fire TVの6つが挙げられており、iOSはその一覧に含まれていません。
日本はiPhoneの割合が高い国です。
Private Internet Accessを月額の安さで選んで、いざiPhoneに入れてみたらMACEのスイッチが見当たらない、ということが起こり得ます。
Private Internet Accessそのものの評価はPrivate Internet Accessのレビューに書いています。遮断機能だけで決めないでください。
プランによって、入っていない機能があります
ここも見落としやすいところです。同じ会社の中でも、安いプランには遮断機能の一部が入っていません。
当サイトは各社の料金ページを毎日取得しており、プランごとの機能一覧もそのとき一緒に記録しています。2026年10月8日に取得したぶんから、保護に関わる項目だけを抜き出しました。
ExpressVPNはトラッカー遮断が上位プランだけ

|
保護に関わる項目 |
ベーシック |
アドバンス |
Express Pro |
|---|---|---|---|
|
悪意のあるサイトをブロック |
あり |
あり |
あり |
|
広告をブロック |
あり |
あり |
あり |
|
成人向けサイトをブロック |
あり |
あり |
あり |
|
トラッカーをブロック |
記載なし |
あり |
あり |
|
パスワード管理(ExpressKeys) |
記載なし |
あり |
あり |
※ExpressVPNの公式料金ページの比較表から当サイトが自動で取得したものです(2026年10月8日取得・2年プランで表示)。1か月プラン・12か月プランでも同じ分かれ方でした。
この分かれ方は、機能の解説ページ側とも一致しました。
ExpressVPNは解説ページに「不正サイトブロッカーはすべてのサブスクリプションに含まれます」「トラッカーブロッカーはアドバンスおよびExpress Proでご利用いただけます」と書いています。料金表と解説ページで食い違いがありません。
プランごとの料金と更新後の金額はExpressVPNの3プラン比較にまとめています。
Surfsharkは漏洩アラートが One 以上

|
保護に関わる項目 |
Starter |
One |
One+ |
|---|---|---|---|
|
広告ブロッカー(Clean Web) |
あり |
あり |
あり |
|
Dynamic MultiHop(多段接続) |
あり |
あり |
あり |
|
個人情報・カード・IDの漏洩アラート |
記載なし |
あり |
あり |
|
リアルタイム保護・ウェブカメラ保護 |
記載なし |
あり |
あり |
|
企業データベースからのデータ削除 |
記載なし |
記載なし |
あり |
※Surfsharkの公式料金ページの比較表から当サイトが自動で取得したものです(2026年10月8日取得・24ヶ月プランで表示)。Starterに紐づく項目は8件、Oneは19件、One+は24件でした。
メールアドレスの流出を知らせる機能を目当てにStarterを選ぶと、入っていません。
流出の確認は契約しなくても無料でできるので、メールアドレスの流出を確認する方法を先に読んでから、必要かどうかを決めてください。
Proton VPNは無料プランに入っていません
Proton VPNには無料プランがありますが、NetShieldは有料プランの機能です。公式のサポート記事に「NetShieldはVPN Plusとそれ以外のすべての有料プランに含まれます」と書かれています。
無料で広告遮断まで期待すると、ここで外れます。無料プランをどこまで当てにできるかは無料VPNの記事に書いています。
各社の中身を、公式の記載で確かめました
ここから8社ぶんを1つずつ見ます。各社が自分の言葉で何と書いているかだけを写しています。
NordVPN:Threat Protection
NordVPNが公式の機能一覧に挙げているのは、Threat Protection・Double VPN・難読化サーバー・Meshnet・専用IP・キルスイッチ・スプリットトンネリングです。
Threat Protectionは広告とトラッカーの遮断に加えて、危険なサイトの警告を含むものとして説明されています。ブロックリストの出どころと更新頻度は、当サイトが見た範囲では公表されていませんでした。
ノーログの方針についてはDeloitteの監査を複数回受けたと公表しています。遮断機能よりも、こちらのほうが選ぶときの材料になります。
Surfshark:Clean Webはアプリと拡張機能で中身が違う
ここは注意が必要です。Clean Webという同じ名前で、2つの別のものが提供されています。
|
止めるもの |
VPNアプリのClean Web |
拡張機能のClean Web |
|---|---|---|
|
広告 |
止める |
止める(動画広告も含む) |
|
トラッカー・マルウェア |
止める |
止める |
|
Cookieの同意ポップアップ |
一覧にありません |
止める |
|
WebRTCからの漏れ |
一覧にありません |
防ぐ |
|
VPNへの接続 |
必要 |
不要 |
※Surfsharkの公式のClean Web紹介ページに掲載されている比較表を当サイトが読み取ったものです(2026年10月9日確認)。
Cookieの同意ポップアップを消したい人は、拡張機能のほうを入れる必要があります。
アプリのスイッチを入れただけでは、あのポップアップは出続けます。
Clean Webはすべてのプランに含まれます。先ほどの表で分かれていたのは、Clean Webではなく漏洩アラートなどのほうです。
ExpressVPN:2つの機能に分かれました
ExpressVPNのThreat Managerは、現在は「悪質なサイトをブロック」と「トラッカーをブロック」の2つに分かれています。片方だけを入れることもできます。
対応端末の表も公式に出ていて、Apple TVだけは扱いが違いました。Apple TVではトラッカー遮断は使えますが、悪質サイトの遮断は使えません。しかもApple TVで止まるのはDNS経由の要求だけだと注記されています。
ブロックリストは「定期的に更新され、新たな脅威にも自動的に対応します」とだけ書かれており、具体的な出どころや頻度の記載はありませんでした。
CyberGhost:コンテンツブロッカー

CyberGhostの機能一覧には「コンテンツブロッカー」という項目があり、広告・トラッカー・マルウェアに関与するドメインとの通信を遮断すると書かれています。あわせて「電子メール漏えいの監視」も一覧に入っています。
プランは1種類だけなので、プランによる差はありません。ブロックリストの出どころは、当サイトが見た範囲では公表されていませんでした。
返金保証の45日は長期プランだけに付くもので、1か月プランは対象外です。詳しくはCyberGhostのレビューに書いています。
Private Internet Access:MACE

8社のなかで、いちばん細かく仕組みを書いているのがここです。
公式のサポート記事では、架空のサイトを例にして、ブラウザが追跡用のドメインのIPアドレスを尋ねたときにMACEが127.0.0.2を返すところまで、手順を追って説明されています。
そのうえで、使っているブロックリストを1本だけ挙げ、更新の確認は月1回だと書いています。自社で追加した規則は使っていないとも明記しています。

※Private Internet Accessの公式サポート記事「What Is MACE?」のFAQ部分です(2026年10月9日に当サイトが確認)。
MACEについて公式が書いていること
- 使っている公開リストは1本だけ
- そのリストの更新確認は月に1回
- 自社で追加したブロック規則は使っていない
- 広告事業者を金銭と引き換えに通すことはしていない
- 対応アプリの一覧にiOSは入っていない
- VPNに接続していないと働かない
4つめは重要です。広告ブロッカーのなかには、特定の広告事業者を「許容できる広告」として通す仕組みを持つものがあります。Private Internet Accessは、そういう扱いをしていないと明言しています。
Proton VPN:NetShield

NetShieldは遮断の強さを2段階から選べます。マルウェアだけを止める設定と、広告とトラッカーとマルウェアをまとめて止める設定です。Windows版にはさらに成人向けサイトを加えた3段目があり、他の端末にも順次展開すると書かれています。
使っているブロックリストの名前を公表している点でも珍しい会社です。用途ごとに公開リストを挙げており、重複を除くと5本になります。そのうえで、自社の脅威分析にもとづく内部のリストも使っていると説明しています。
もうひとつ、公式が自分から弱点を書いています。TorをVPN経由で使う構成ではNetShieldは働きません。Torの各ノードが自前のDNSを使うため、Protonの側で止めようがないという理由です。
Torとの併用を考えている方は、ダークウェブの記事に構成ごとの違いを書いています。
Mullvad:DNSコンテンツブロッカー
Mullvadは遮断の種類ごとに別のDNSホスト名を用意しており、使うホスト名を変えることで止める範囲を選びます。
Mullvadが用意している遮断の段階
- 広告とトラッカーだけを止める
- そこにマルウェアを足す
- さらに成人向けサイトを足す
- さらにギャンブルのサイトを足す
- さらにSNSを足す
ブロックリストの内訳はGitHubで公開されています。そして先に書いたとおり、DNSの遮断では止められないものがあることを自分で明記している唯一の会社でもありました。
Mullvadはノーログの方針そのものを対象にした監査については、当サイトが確認した範囲では公表が見つかりませんでした。アプリやインフラの監査は毎年公開しています。
Windscribe:R.O.B.E.R.T.
Windscribeの特徴は、遮断するカテゴリを自分で選べることと、自分で規則を書き足せることです。
無料プランでも遮断機能そのものは使えますが、使えるリストはマルウェアと広告の2種類に限られ、自分で書ける規則は3件までです。Proプランではすべてのリストと1,000件の規則が使えます。
広告とトラッカーのリストについては、Easylistの4倍の規模だと公式ページに書いています。規模を数字で示しているのはこの会社だけでした。
遮断機能より先に見るべきところ
ここまで遮断機能の話をしてきましたが、VPNを選ぶときにこれを最優先にするのはおすすめしません。遮断機能は後から設定で切り替えられますが、次の項目は契約してからでは変えられないからです。
ノーログの方針が第三者の監査を受けているか
通信の出口をまるごと預ける相手なので、ここがいちばん効きます。当サイトが各社の公表を確認した結果です。
|
VPNサービス |
ノーログ方針の第三者監査 |
本社の国 |
|---|---|---|
|
NordVPN |
Deloitteの監査を複数回 |
パナマ |
|
Surfshark |
Deloitteの保証報告書 |
オランダ |
|
Private Internet Access |
Deloitte(ルーマニア法人)で3回目 |
アメリカ合衆国 |
|
Mullvad |
アプリとインフラの監査を毎年公開 |
スウェーデン |
|
Windscribe |
設備とアプリの監査を公表 |
カナダ |
※各社の公式サイトとプライバシーポリシーから当サイトが取得したものです。ExpressVPNとCyberGhostについては、ノーログ方針そのものを対象にした監査の記載を当サイトの取得では確認できていないため、この表から外しています(存在しないという意味ではありません)。MullvadとWindscribeの監査は、アプリやサーバー設備を対象にしたもので、ノーログ方針そのものを対象にしたものかは確認できていません。
監査を受けている会社だけを集めた記事は第三者監査を受けているVPNにあります。
拠点がどこにあるか
当サイトは7社の拠点国を毎日数え直しています。2026年10月8日の時点では次のとおりでした。
|
VPNサービス |
拠点のある国と地域 |
同時接続 |
|---|---|---|
|
NordVPN |
150 |
10台 |
|
ExpressVPN |
113 |
14台 |
|
Private Internet Access |
104 |
無制限 |
|
Surfshark |
100 |
無制限 |
|
CyberGhost |
100 |
7台 |
|
Windscribe |
72 |
無制限 |
|
Mullvad |
50 |
5台 |
※各社が公開しているサーバー一覧を当サイトが毎日取得して数えたものです(2026年10月8日取得)。同時接続の台数は各社の公式表記にもとづきます。
キルスイッチが入っているか
VPNの接続が切れた瞬間に、素の通信が出ていくのを止める機能です。遮断機能よりこちらのほうが優先度は高いと考えています。
今回見た8社は、いずれもキルスイッチにあたる機能を公式の一覧に載せていました。ここで差が付く段階ではありません。
遮断機能に期待してはいけないこと
当サイトは流出対策の記事で、流出が起きる場所を3つの層に分けて書いています。遮断機能が効くのは、そのうち1つだけです。
|
層 |
何が起きるか |
遮断機能 |
|---|---|---|
|
預けた先(企業側) |
会員情報が外部に流出する |
効きません |
|
自分(入力・端末) |
偽サイトに自分で入力してしまう |
既に知られている偽サイトなら止まります |
|
通信の経路 |
接続先の一覧を回線側に見られる |
ここが守備範囲 |
※当サイトによる整理です。流出対策の全体像は個人情報が流出したときの対策にまとめています。
新しく作られた偽サイトは止まりません
遮断機能はどれも、既にリストに載っているドメインを弾く仕組みです。昨日作られた偽サイトはリストに載っていないので、素通りします。
フィッシングを止めるのは二段階認証、とくにパスキーです。方式ごとの違いは二段階認証とパスキーの記事に書いています。
企業からの流出には届きません
ニュースになる「個人情報が流出した」のほとんどは、預けた先の会社から漏れたものです。遮断機能を入れていても、入れていなくても、漏れるときは漏れます。
できるのは、漏れた情報で入られないようにすることです。パスワードの使い回しを断つところから始めてください。手順はパスワード管理アプリの比較にあります。
預けたファイルそのものを読まれないようにする方法は、ファイルとクラウドの暗号化にまとめています。クラウドによって、鍵を会社が持っているか自分の端末だけが持っているかが変わります。
遮断機能で選ぶならこの3社
ExpressVPN:接続速度と安定性で業界最高水準

|
|
内容 |
|---|---|
|
本社所在地 |
英領バージン諸島 |
|
月額料金(2年プラン) |
$4.49〜/月 |
|
返金保証 |
30日間 |
|
サーバー台数 |
3,000台以上 |
|
対応国数 |
113カ国 |
|
同時接続台数 |
10〜14台(プランによる) |
|
日本語対応 |
アプリ・サポートともに対応 |
全世界で400万人以上が利用するExpressVPNは、VPN LIFEの速度検証で常にトップクラスの数値を記録しています。
一般的なVPNアプリは起動から接続完了まで30〜60秒かかりますが、ExpressVPNはその工程をわずか10秒ほどで完了。
毎日使うツールとしてのストレスのなさは、長期利用者からも高い評価を得ています。
地域制限への対応力も高く、4K動画の視聴でも品質低下を感じにくい通信速度を維持。
中国からの接続実績においても安定していると評価されており、渡航先を問わず使えます。
ExpressVPNのメリット・デメリット
-
通信速度・安定性ともに業界トップクラス
-
アプリの起動から接続まで最速10秒程度
-
113カ国のサーバーに対応し、用途の幅が広い
-
ノーログポリシーを採用し、通信履歴を保持しない
-
ビットコインによる匿名支払いに対応
-
日本語でのサポートにも対応
-
他社と比べると月額料金はやや高め
\【VPN LIFE特典】/
3ヵ月の無料期間が追加でもらえる!
NordVPN:コストと機能のバランスに優れた定番サービス

|
|
内容 |
|---|---|
|
本社所在地 |
パナマ |
|
月額料金(2年プラン) |
$3.99〜/月 |
|
返金保証 |
30日間 |
|
サーバー台数 |
8,000台以上 |
|
対応国数 |
140カ国以上 |
|
同時接続台数 |
10台 |
|
日本語対応 |
アプリ・サポートともに対応 |
NordVPNは新規利用者数が世界最多規模を誇るVPNです。
8,000台以上という圧倒的なサーバー数を持ち、混雑時でも安定した速度を確保しやすい点が特徴です。
長期プランを選択すれば月額料金を大幅に抑えられるため、コストパフォーマンスを重視する方に向いています。
一方、中国国内からの接続では不安定になるケースが報告されているため、中国滞在が多い方はExpressVPNを優先的に検討してください。
NordVPNのメリット・デメリット
-
世界最大規模の利用実績があり信頼性が高い
-
サーバー数が多く、接続先の選択肢が豊富
-
長期プランでは業界内でも安価な部類に入る
-
ノーログポリシーを採用
-
暗号通貨支払いに対応
-
1ヶ月プランは割高になる
-
中国からの接続では不安定になる場合がある
\ 30日間全額返金保証!/
Surfshark:接続台数無制限で家族・複数デバイスに最適

|
|
内容 |
|---|---|
|
本社所在地 |
オランダ |
|
月額料金(2年プラン) |
$2.39〜/月 |
|
返金保証 |
30日間 |
|
サーバー台数 |
4,500台以上 |
|
対応国数 |
100カ国 |
|
同時接続台数 |
無制限 |
|
日本語対応 |
アプリ・サポートに対応 |
主要VPNサービスの中でも月額料金が低いのが魅力のSurfshark。
新興のサービスですが、通信速度は大手と比較しても遜色なく、世界的な評価も年々向上しています。
同時接続台数に制限がないため、スマートフォン・タブレット・PCといった複数デバイスを1アカウントで使い回したい方や、家族と共有したい方に特に最適。
ただし、地域ブロックへの対応はExpressVPNやNordVPNに比べてやや弱い面があり、特定のサービスで接続が安定しないケースも見受けられます。
Surfsharkのメリット・デメリット
-
3サービス中、最も月額料金が安い
-
同時接続台数が無制限で家族利用に最適
-
大手に引けを取らない通信速度
-
ノーログポリシーを採用
-
暗号通貨支払いに対応
-
地域ブロックへの対応力が他社より弱い場合がある
-
運用実績が競合よりも短い
\ 30日間全額返金保証!/
VPNのセキュリティ機能に関するよくある質問
VPNの広告ブロックがあれば、拡張機能は要らなくなりますか?
置き換えにはなりません。止める場所が違うので、得意なものも違います。
ページの中に埋め込まれた広告はDNSでは切り分けられないため、両方を併用している人が多いです。Mullvadは自社の公式ページで、ブラウザ側の拡張機能を併用するよう勧めています。
遮断機能を入れると通信は速くなりますか?
読み込むファイルが減るぶん、速くなる場面はあります。各社も通信量の節約と表示の速さを効果として挙げています。
ただしVPNを経由すること自体は、経由しない場合より遅くなる方向に働きます。差し引きでどうなるかは回線と見るサイトによります。
無料のVPNでも広告ブロックは使えますか?
会社によります。Windscribeは無料プランでもマルウェアと広告のリストが使えますが、Proton VPNのNetShieldは有料プランの機能です。
そもそも無料で運営する以上は別の収益源があります。通信の出口を預ける相手なので、誰が運営しているかが分かることを優先してください。
MACEやClean Webを有効にすると、見られなくなるサイトは出ますか?
出ることがあります。遮断は公開のリストに載っているドメイン単位で行われるため、本来は問題ないドメインが巻き込まれる場合があります。
Windscribeは、この取りこぼしを減らすために自社で手作業の除外リストを持っていると公表しています。サイトが開かないときは、いったん遮断を切って切り分けてください。
iPhoneでもVPNの広告ブロックは使えますか?
会社によります。Surfshark・ExpressVPN・Proton VPNは公式の対応一覧にiOSが入っています。
Private Internet AccessのMACEについては、公式サポート記事の対応アプリ一覧にiOSが含まれていません。iPhoneで遮断機能を使いたい方は、契約前に対応表を確認してください。
遮断機能を入れておけば、個人情報の流出は防げますか?
防げません。遮断機能が働くのは通信の経路の層だけです。
預けた先の会社から会員情報が流出する場合には届きません。まず自分の情報が漏れていないかを確認するところから始めてください。
各社のブロックリストの中身は、自分で確かめられますか?
一部なら確かめられます。Mullvadは自社のリストの内訳をGitHubで公開しています。Private Internet Accessは使っている公開リストの名前を公式サポート記事に書いています。
残りの会社については、当サイトが確認した範囲では公表が見当たりませんでした。
まとめ:名前ではなく、公表されている中身で比べる
8社の公式ページを読んで分かったことを並べます。
今回分かったこと
- 仕組みは8社とも同じで、DNSの段階で止めている
- ブロックリストの中身まで公表しているのは3社だけ
- 公表している1社は、リスト1本・更新は月1回・自社の追加規則は無し
- iPhoneで使えない遮断機能がある
- 同じ会社でも、安いプランには入っていない機能がある
- どの社の遮断機能も、企業からの流出とフィッシングには届かない
遮断機能は、あれば便利なものです。ただ、VPNを選ぶ理由にするには弱すぎます。
拠点の場所、ノーログ方針の監査、返金できる期間。先に決まるのはそちらです。


