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VPNはセキュリティ対策になるのか|7社の公式データで届く範囲を線引きしました

VPNはセキュリティ対策になるのか|7社の公式データで届く範囲を線引きしました

VPNの契約ページには、たいてい「セキュリティ」と書かれた欄があります。軍事レベルの暗号化、ノーログ方針、キルスイッチ。
どれも本当のことですが、その言葉が守っている範囲は、思っているより狭いところに限られます。

この記事は、当サイトが毎日取得している7社の公式データと、14都市で実機を使って測った通信速度をもとに、VPNが届く層と届かない層を線で分けたものです。

VPNを入れるべきかどうかではなく、入れたあとに何が空いたまま残るのかを先に出します。
そこがはっきりすると、残りをどの手段で埋めるかまで一度に決められます。

先に、数えて分かったことを3つ書いておきます。

ノーログ方針そのものについて第三者の監査を公表しているのは、7社のうち3社でした。
キルスイッチを公式の機能一覧に載せているのも3社で、そのうち既定で有効になっていて切れない会社は1社だけです。
そして暗号化を通したあとに残る速度は、同じ7社でも29.4%から95.1%まで開きます。

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この記事の数字について

  • 調べているVPN 7社
  • サーバーのある場所 157の国と地域を、毎日数え直しています
  • 通信速度 14都市で、実機を使って自分たちで計測しています

各社の発表をそのまま書き写したものではありません。サーバーの台数と拠点の数は、各社が公開している一覧をそのまま数えたものです。実測が済んでいない項目には推定値を入れず「計測中」と書いています。取り方はデータの取り方と検証方法にまとめています。

他の言語で読む English / 中文 / Bahasa Indonesia / 한국어 / ไทย / Tiếng Việt


Contents
  1. VPNが届く層と、届かない層
  2. 7社の公式データで、守りの土台を並べました
  3. ノーログの「監査済み」は、対象を見ないと意味が変わる
  4. キルスイッチは「ある」の一言で終わらせない
  5. 暗号化を通したあと、速度はどれだけ残るのか
  6. 家の中の何台まで守れるかは、契約で決まります
  7. 遮断機能に、フィッシング対策まで期待しない
  8. VPNで埋まらない穴を、どこで埋めるか
  9. 契約したあと、最初に開く設定は3つ
  10. セキュリティで選ぶときに当サイトが見る4つ
  11. セキュリティ対策でVPNを選ぶならこの3社
  12. VPNとセキュリティ対策に関するよくある質問
  13. まとめ:届く範囲を知ったうえで重ねる

VPNが届く層と、届かない層

セキュリティ対策という言葉は広すぎます。被害の型ごとに、VPNが関われる場所が決まっているので、先にそこを表にします。

被害の型

どこで起きるか

VPNが届くか

公衆Wi-Fiでの盗み見

自分の端末から外に出るまでの経路

届きます

接続先のIPアドレスから居場所が分かる

経路の出口

届きます

広告や計測ドメインの読み込み

名前解決(DNS)の段階

社によって届きます

会員登録した会社からの情報流出

預けた先のサーバーの中

届きません

偽メール・偽サイトでの入力

自分の手元の判断

届きません

パスワードの使い回しによる不正ログイン

相手のログイン画面

届きません

偽アプリのインストール

端末の中

届きません

VPNが受け持っているのは「経路」の1区間だけ

VPNは、端末とVPNの出口サーバーとのあいだに暗号化された通路を作ります。
この区間を通るあいだ、通信の中身は途中にいる誰からも読めません。カフェや空港のWi-Fi、ホテルの有線、公共施設の回線。間に入る人がいる場所では、この1区間が効きます。

一方、その通路から出たあとの通信は、ふつうのインターネットに戻ります。
送り先の会社のサーバーに届いてからは、VPNは一切関与しません。流出はそこで起きるので、経路の対策では届かないという理屈です。

HTTPSがあるのに、経路の暗号化が要るのはなぜか

いまはほとんどのサイトがHTTPSに対応しています。やり取りの中身は、それだけでも暗号化されています。
ではVPNは不要かというと、HTTPSが隠していない情報が残ります。

ブラウザがページを開くとき、まず「そのドメインのIPアドレスを教えてほしい」という問い合わせが飛びます。
この問い合わせ自体と、つないだ先のアドレスは、HTTPSの中には入りません。同じ回線にいる人からは、中身は読めなくても「どこに、いつ、どれくらいつないだか」は見えます。

VPNを通すと、この問い合わせごと暗号化された通路に入ります。
回線の提供者から見えるのは、VPNの出口サーバーにつないでいることだけになります。訪問先の一覧は残りません。

見えなくなるのは「同じ回線にいる人」から見た場合です

注意したいのは、見えなくなる相手が入れ替わるという点です。
回線の提供者やWi-Fiの管理者からは見えなくなりますが、かわりにVPNの会社が同じ位置に立ちます。

だからこそ、この記事では運営国とノーログ方針の監査を先に見ています。
経路を預ける相手を選び直す作業だと考えると、見るべき項目が決まってきます。

「対策を重ねる」は正しいが、重なっていない部分がある

対策は重ねるほど穴が減ります。それは本当です。
ただし重ねた結果どこが埋まったのかを見ておかないと、埋まっていない穴を埋まったつもりでいるという、いちばん危ない状態になります。

上の表でいえば、VPNが埋めるのは上から3つまでです。下の4つは、別の手段を当てないと空いたままです。
どこで埋めるかは、この記事の後半に表でまとめました。

7社の公式データで、守りの土台を並べました

セキュリティの話に入る前に、各社が公式に出している値を並べます。当サイトが毎日取得しているものです。

VPN

拠点のある国

同時接続

返金可能期間

月額(最安)

NordVPN

150か国

10台

30日

—

ExpressVPN

113か国

14台

—

480円

Private Internet Access

105か国

無制限

30日

209円

CyberGhost

100か国

—

45日(6か月・2年プラン)
1か月プランは14日

312円

Surfshark

99か国

無制限

30日

298円

Windscribe

72か国

無制限

7日

902円

Mullvad

50か国

5台

14日

880円

各社が公開している一覧と料金ページから取得した値です。拠点のある国の数は当サイトが毎日数え直しています。月額は最も安いプランを月あたりに直した額で、割引の時期によって動きます。返金可能期間はプランで変わる社があり、CyberGhostは6か月と2年のプランが45日、1か月のプランは14日です。

返金できる期間が、いちばん確実な試し方

セキュリティ機能は、契約画面の説明を読んでも使い心地までは分かりません。
返金できる期間のあいだに、自分の回線と端末で動かしてみるのがいちばん確実です。

上の表でいえば、30日あるのがNordVPN・Private Internet Access・Surfsharkの3社です。
Mullvadは14日、Windscribeは7日と短くなります。CyberGhostは45日とさらに長いのですが、これは6か月と2年のプランに限られ、1か月のプランでは14日です。日数だけを見て決めると、短いほうの契約を選んでしまうことがあります。旅行や出張に合わせて試すなら、期間の長い側から当たるほうが落ち着いて確かめられます。

暗号化の方式では、7社の差はほとんどつきません

各社の説明には「AES-256」「軍事レベル」といった言葉が並びます。
ただしこの部分は7社のあいだでほとんど横並びです。接続方式もWireGuardとOpenVPNに収束していて、どこか1社だけが弱い、という状態にはなっていません。

ここで差がつかないので、比べる側は別の項目を見る必要があります。
当サイトが拠点の国・監査・返金期間・同時接続台数を先に並べているのは、公表されている値のなかで実際に差がつく項目だからです。

運営国は5か国に分かれています

通信記録の扱いは、その会社がどの国の法律の下にいるかで変わります。当サイトが記録している範囲では、次のように分かれています。

7社の運営国

  • パナマ NordVPN
  • オランダ Surfshark
  • アメリカ合衆国 Private Internet Access
  • スウェーデン Mullvad
  • カナダ Windscribe

NordVPNは自社サイトで、パナマが各国で情報を共有する枠組みに加盟していない国であることを挙げています。
一方、Private Internet Accessはアメリカに拠点を置いたまま、裁判所の記録で通信記録が提出できなかった経緯を公表しています。拠点の国だけで良し悪しは決まりません。この話はノーログVPNと警察の身元特定に詳しく書いています。

ノーログの「監査済み」は、対象を見ないと意味が変わる

各社のページには「第三者の監査を受けています」と書かれていることがあります。ただし監査の対象はばらばらです。

VPN

ノーログ方針そのものの監査

公表されている監査法人

NordVPN

公表あり

Deloitte

Surfshark

公表あり

公式サイトに記載

Private Internet Access

公表あり

公式サイトに記載

Mullvad

対象が異なります

アプリとインフラが対象

Windscribe

対象が異なります

アプリとインフラが対象

各社の公式サイトの記載から判定しています。「対象が異なります」は、監査を受けた事実はあるものの、対象がノーログ方針そのものではない場合です。

ノーログ方針そのものの監査は3社

当サイトが記録している範囲では、ノーログ方針そのものを対象にした監査を公表しているのは、NordVPN・Surfshark・Private Internet Accessの3社です。

MullvadとWindscribeも監査を受けていますが、公表されている対象はアプリやインフラ、決済まわりです。
どちらも監査済みと書けてしまうところが、この項目の分かりにくさです。比べるときは「何を監査したか」まで読んでください。

監査を受けた日付まで見ると、さらに絞られます

監査は一度受ければ終わりというものではありません。設備も運用も入れ替わるためです。
いつ受けたものかが書かれているかどうかで、読み取れる確かさが変わります。

NordVPNは監査を複数回受けたことを公表しています。
当サイトは各社のページを定期的に見直して、記録した日付と一緒に残しています。比べるときは、監査の有無だけでなく最後に受けた時期まで見てください。

キルスイッチは「ある」の一言で終わらせない

接続が切れた瞬間に通信を止める機能です。名前は同じでも、既定で入っているかどうかで性質が変わります。

VPN

公式の機能一覧への記載

既定の状態

NordVPN

記載あり

設定で切り替える機能

Surfshark

記載あり

設定で切り替える機能

Private Internet Access

記載あり

設定で切り替える機能

Mullvad

機能一覧には無し

既定で有効・無効にできない

公式の機能一覧と、公式FAQの記載を分けて数えています。Mullvadの記載は2026年9月1日時点のものです。

Mullvadは機能一覧に載せていないが、FAQには書いてある

Mullvadの公式の機能一覧に、キルスイッチは出てきません。
ところが公式FAQには、アプリに組み込まれていて既定で有効、しかも無効にできないと書かれています。原文は "The app has a built in kill switch that is enabled by default and cannot be disabled." です。

機能一覧だけを見て比べると、この会社だけキルスイッチが無いように読めてしまいます。
一覧に載っていないことと、存在しないことは別です。当サイトはこの種の取りこぼしを何度か踏んでいるので、機能一覧とFAQを分けて記録するようにしています。

設定で入れるものと、既定で入っているものの違い

設定で切り替える方式は、自分でオンにするまで働きません。
インストールした直後に接続して、そのまま使い始めた場合、キルスイッチが入っていない状態で使っている可能性があります。

はじめて入れた日に、設定画面を一度だけ開いてください。
自動接続とキルスイッチの2つを入れておくと、あとから思い出す必要がなくなります。

暗号化を通したあと、速度はどれだけ残るのか

セキュリティ機能を入れると遅くなるのか、という質問が多いので、当サイトが実機で測った値を出します。同じ回線で、つないだときとつながないときを続けて測った比較です。

都市

VPN

つながないとき

つないだとき

残った割合

フランクフルト

CyberGhost

94.67 Mbps

90.35 Mbps

95.1%

ロンドン

ExpressVPN

206.00 Mbps

149.93 Mbps

81.4%

ロンドン

Windscribe

94.82 Mbps

73.97 Mbps

78.0%

東京

Private Internet Access

139.50 Mbps

63.60 Mbps

44.9%

東京

Mullvad

930.00 Mbps

277.00 Mbps

29.4%

同じ回線・同じ時間帯で、つないだときとつながないときを5回ずつ続けて測り、中央値を比べています。計測した都市と回数はデータの取り方と検証方法に出しています。

元の回線が速いほど、割合は下がって見えます

東京のMullvadは残った割合が29.4%で、表のなかでは最も低い値です。
ただし元の回線が930Mbpsあるので、つないだあとでも277Mbps残っています。フランクフルトのCyberGhostは95.1%と高い割合ですが、残っている速度そのものは90Mbpsです。

割合だけを見て選ぶと、この逆転を見落とします。
動画を見る、ファイルを送る、ビデオ会議をつなぐ。どれも必要な速度には上限があるので、割合ではなく残った速度が足りているかで見てください。

公衆Wi-Fiでは、そもそも元の回線が速くありません

セキュリティのためにVPNを使いたい場面は、たいてい外出先です。
空港やカフェの回線は、速いときでも数十Mbps程度に収まります。この帯域では、暗号化による目減りが体感に出にくくなります。

逆に、自宅の光回線でいちばん速い時間帯に動画を4K画質で見る、といった使い方では差が出ます。
使う場面を分けて、必要なときだけつなぐ設定にしておくと無理がありません。スプリットトンネリングは、まさにこの切り分けのための機能です。

家の中の何台まで守れるかは、契約で決まります

経路を守る話は、守る端末の数で費用が変わります。各社が公表している同時接続台数を並べます。

VPN

同時接続

向いている使い方

Surfshark

無制限

家族ぶんをまとめて入れる

Private Internet Access

無制限

家族ぶんをまとめて入れる

Windscribe

無制限

家族ぶんをまとめて入れる

ExpressVPN

14台

個人の端末を一通り

NordVPN

10台

個人の端末を一通り

Mullvad

5台

自分の主な端末だけ

各社が公式サイトに出している値です。ExpressVPNはプランで変わり、上の数字はいちばん多いプランのものです。

端末の数を数えると、たいてい思っていたより多くなります

スマートフォン、パソコン、タブレット。ここまでは誰でも数えます。
実際には家族の端末、仕事用のパソコン、テレビにつないだ機器が加わります。3台のつもりが7台だった、という数え直しはよく起こります。

無制限の3社は、この数え直しをしなくて済みます。
一方で台数に上限がある社は、使う端末を絞るぶん設定を見直す回数が減るという面もあります。守りたい端末を書き出してから選ぶと迷いません。

ルーターに入れる方法もあります

対応しているルーターに設定すると、そこにつながる端末すべてが通路を通ります。
テレビやゲーム機のようにアプリを入れられない機器も含められます。ただしルーターの1台ぶんとして数える社と、つながる端末ごとに数える社があります。契約前に確認してください。

遮断機能に、フィッシング対策まで期待しない

各社には広告やマルウェアを止める機能が付いています。名前はばらばらで、NordVPNはThreat Protection、SurfsharkはCleanWeb、Private Internet AccessはMACE、WindscribeはR.O.B.E.R.T.です。

当サイトが8社の公式ページを読んで分かったこと

  • 仕組みは8社とも同じで、名前解決(DNS)の段階で止めている
  • 使っているブロックリストの中身まで公表しているのは3社だけ
  • Private Internet AccessのMACEは、公式の対応アプリ一覧にiOSが入っていない
  • 同じ会社でも、安いプランには入っていない遮断機能がある

この調査はVPNの広告ブロック機能を8社で比べましたにまとめています。

止まるのは「読み込み」で、「入力」ではありません

遮断機能が働くのは、ページが外部のドメインから何かを読み込もうとした瞬間です。
自分の手で開いたページに、自分の手で入力する行為は、この仕組みの外側にあります。偽の銀行サイトにIDとパスワードを入れてしまう場面では、遮断機能は動きません。

ここを混同すると、遮断機能を入れたから安心だと考えてしまいます。
読み込みを止める機能であって、入力を止める機能ではありません。

新しく作られた偽サイトは、リストに載るまで止まりません

遮断はドメインの一覧に照らして行われます。
つまり一覧に載ってから止まります。フィッシングに使われるドメインは短命で、数日で捨てられて新しいものに替わります。載る前に送られてくるものには、この仕組みは効きません。

偽メールのリンクを開かない、開いても入力しない。この2つが効く場所は、依然として自分の手元です。

iPhoneで使えない遮断機能があります

Private Internet AccessのMACEについては、公式サポート記事の対応アプリ一覧にiOSが含まれていません。
日本はiPhoneを使う人の割合が高いので、月額の安さだけで選ぶと、目当ての機能が使えない組み合わせになることがあります。契約の前に対応表を見てください。

VPNで埋まらない穴を、どこで埋めるか

最初の表で「届きません」になっていた4つを、どの手段で埋めるかを並べます。当サイトで調べたものには記事へのリンクを付けました。

空いている穴

当てる手段

当サイトの記事

自分の情報がすでに漏れている

漏洩していないかを確認する

個人情報の漏洩を確認する方法

メールアドレスが流出先に載っている

アドレス単位で調べる

メールアドレスの漏洩チェック

パスワードを使い回している

パスワード管理を入れる

パスワード管理の比較

パスワードだけで入れてしまう

二要素認証とパスキーを設定する

二要素認証とパスキー

保存したファイルが読まれる

保存先で暗号化する

ファイルとクラウドの暗号化

偽アプリを入れてしまう

配布元を公式ストアに限る

端末の設定で確認します

古いOSの穴が残っている

OSとアプリを更新する

端末の設定で確認します

流出した情報が売買されている

どこで扱われるかを知る

ダークウェブで何が起きているか

端末の中は、VPNの外側にあります

最初の表で「端末の中」と書いた行は、経路の対策では触れない場所です。
入れたアプリが何を読んでいるか、OSに修正されていない穴が残っているか。どちらも通路を暗号化したかどうかとは関係なく決まります。

やることは2つだけです。アプリは公式ストアから入れることと、OSとアプリの更新を溜めないことです。
更新の通知を後回しにしていると、公開済みの穴が開いたまま残ります。自動更新を入れておくのがいちばん手間がかかりません。

順番をつけるなら、漏洩の確認が先です

対策を並べると全部やりたくなりますが、効く順番があります。
すでに漏れている情報があるなら、そこから始めるのがいちばん早いです。漏れたアドレスとパスワードの組み合わせは、そのまま別のサービスのログイン画面で試されます。

確認して、該当したものだけパスワードを変える。
それが済んでから、二要素認証とパスワード管理に進むと、作業が重複しません。

漏洩の連絡が来たときに、何から手を付けるか

利用しているサービスから流出のお知らせが届くことがあります。
そのときに効く順番も決まっていて、まず同じパスワードを使い回している先を潰すのが先です。流出元のパスワードを変えるだけでは、使い回した先が残ります。

パスワード管理を入れていると、使い回している組み合わせが一覧で出ます。
手作業で思い出す必要がなくなるので、この場面でいちばん効く道具がパスワード管理です。

無料のVPNを対策に数えない

対策を増やす流れで無料のVPNを入れてしまうと、むしろ穴が増えます。
通信の出口を預ける相手なので、誰が運営しているかが分からないものは避けてください。実際に問題が指摘された例はTurboVPNの危険性と無料VPNの仕組みにまとめています。

契約したあと、最初に開く設定は3つ

入れただけでは働かない設定があります。はじめて使う日に、この3つだけ確かめてください。

最初に確かめる設定

  • キルスイッチ 切断したときに通信を止めます
  • 自動接続 知らないWi-Fiにつないだとき自動で立ち上げます
  • 遮断機能 広告とトラッカーの読み込みを止めます

キルスイッチを入れる

設定画面のいちばん上か、接続の項目の中にあります。
NordVPN・Surfshark・Private Internet Accessは自分でオンにする方式なので、入れた直後は働いていません。Mullvadは既定で有効なので操作は要りません。

知らないWi-Fiでの自動接続を入れる

外出先で使いたいのに、つなぎ忘れて使ってしまうのがいちばん多い失敗です。
自動接続を入れておくと、登録していないWi-Fiにつないだ時点で立ち上がります。覚えておく必要がなくなるので、ここだけは最初に入れてください。

カフェでパソコンを開いてから設定を探す、という手間がなくなります。

遮断機能を入れて、開かないサイトが出たら切り分ける

遮断はドメインの一覧で行われるので、問題のないサイトが巻き込まれることがあります。
サイトが開かないときは、いったん遮断だけを切って、もう一度開いてみてください。それで開けば原因がはっきりします。

プランによっては、この機能が入っていないことがあります。ExpressVPNのトラッカー遮断は上位のプラン、Surfsharkの漏洩アラートはOne以上の契約に入っています。

セキュリティで選ぶときに当サイトが見る4つ

各社の宣伝文句ではなく、公表されている値だけで判断できる項目に絞っています。

見る順番

  • ノーログ方針そのものの監査が公表されているか 対象まで読みます
  • キルスイッチが既定で入っているか、設定が要るか 機能一覧とFAQの両方を見ます
  • 返金できる期間が何日あるか 自分の回線で試せる長さです
  • 運営国と運営会社が公表されているか 通信記録の扱いが変わります

この4つは、どれも各社の公式ページに書いてあります。
暗号化の方式や鍵の長さは、7社のあいだでほとんど差がありません。そこで比べても順番が決まらないので、当サイトは上の4つを先に見ています。

セキュリティ対策でVPNを選ぶならこの3社

上の4項目と、返金できる期間の長さで絞った3社です。

ExpressVPN:接続速度と安定性で業界最高水準

内容

本社所在地

英領バージン諸島

月額料金(2年プラン)

$4.49〜/月

返金保証

30日間

サーバー台数

3,000台以上

対応国数

113カ国

同時接続台数

10〜14台(プランによる)

日本語対応

アプリ・サポートともに対応

全世界で400万人以上が利用するExpressVPNは、VPN LIFEの速度検証で常にトップクラスの数値を記録しています。

一般的なVPNアプリは起動から接続完了まで30〜60秒かかりますが、ExpressVPNはその工程をわずか10秒ほどで完了。
毎日使うツールとしてのストレスのなさは、長期利用者からも高い評価を得ています。

地域制限への対応力も高く、4K動画の視聴でも品質低下を感じにくい通信速度を維持。
中国からの接続実績においても安定していると評価されており、渡航先を問わず使えます。

ExpressVPNのメリット・デメリット

  • 通信速度・安定性ともに業界トップクラス

  • アプリの起動から接続まで最速10秒程度

  • 113カ国のサーバーに対応し、用途の幅が広い

  • ノーログポリシーを採用し、通信履歴を保持しない

  • ビットコインによる匿名支払いに対応

  • 日本語でのサポートにも対応

  • 他社と比べると月額料金はやや高め

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NordVPN:コストと機能のバランスに優れた定番サービス

内容

本社所在地

パナマ

月額料金(2年プラン)

$3.99〜/月

返金保証

30日間

サーバー台数

8,000台以上

対応国数

140カ国以上

同時接続台数

10台

日本語対応

アプリ・サポートともに対応

NordVPNは新規利用者数が世界最多規模を誇るVPNです。
8,000台以上という圧倒的なサーバー数を持ち、混雑時でも安定した速度を確保しやすい点が特徴です。

長期プランを選択すれば月額料金を大幅に抑えられるため、コストパフォーマンスを重視する方に向いています。

一方、中国国内からの接続では不安定になるケースが報告されているため、中国滞在が多い方はExpressVPNを優先的に検討してください。

NordVPNのメリット・デメリット

  • 世界最大規模の利用実績があり信頼性が高い

  • サーバー数が多く、接続先の選択肢が豊富

  • 長期プランでは業界内でも安価な部類に入る

  • ノーログポリシーを採用

  • 暗号通貨支払いに対応

  • 1ヶ月プランは割高になる

  • 中国からの接続では不安定になる場合がある

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Surfshark:接続台数無制限で家族・複数デバイスに最適

内容

本社所在地

オランダ

月額料金(2年プラン)

$2.39〜/月

返金保証

30日間

サーバー台数

4,500台以上

対応国数

100カ国

同時接続台数

無制限

日本語対応

アプリ・サポートに対応

主要VPNサービスの中でも月額料金が低いのが魅力のSurfshark。
新興のサービスですが、通信速度は大手と比較しても遜色なく、世界的な評価も年々向上しています。

同時接続台数に制限がないため、スマートフォン・タブレット・PCといった複数デバイスを1アカウントで使い回したい方や、家族と共有したい方に特に最適。

ただし、地域ブロックへの対応はExpressVPNやNordVPNに比べてやや弱い面があり、特定のサービスで接続が安定しないケースも見受けられます。

Surfsharkのメリット・デメリット

  • 3サービス中、最も月額料金が安い

  • 同時接続台数が無制限で家族利用に最適

  • 大手に引けを取らない通信速度

  • ノーログポリシーを採用

  • 暗号通貨支払いに対応

  • 地域ブロックへの対応力が他社より弱い場合がある

  • 運用実績が競合よりも短い

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VPNとセキュリティ対策に関するよくある質問

基本的な対策をしていれば、VPNは要らないのでしょうか?

使う場所によります。自宅の回線だけで完結しているなら、優先度は下がります。
外出先のWi-Fiを使う日がある、海外に行く予定がある、という場合は経路の1区間が空いたままになります。その区間を埋めるのがVPNの役割です。

VPNを使えば個人情報の流出は防げますか?

防げません。流出が起きるのは、登録した会社のサーバーの中です。
VPNが働くのは経路の区間なので、預けた先で起きたことには届きません。まず自分の情報が漏れていないかを確認してください。

VPNを使えばフィッシング詐欺に遭わなくなりますか?

遭わなくなるわけではありません。遮断機能はドメインの一覧に載っているものを止める仕組みで、新しく作られたばかりの偽サイトは一覧に載っていません。
リンクから個人情報を入力しない、という手元の判断が引き続き必要です。

無料のVPNでもセキュリティ対策になりますか?

通信の出口を預ける相手なので、運営元が分かることを先に確認してください。
無料で運営する以上は別の収益源があります。何で収益を得ているかが公表されていないものは、対策として数えないほうが安全です。

自宅のWi-Fiでも使ったほうがいいですか?

自宅の回線は、間に入る人がいないぶん優先度は下がります。
ただし接続先に見えるIPアドレスを変えたい場合は、自宅でも意味があります。IPアドレスから分かることにまとめています。

キルスイッチは入れておいたほうがいいですか?

入れておいてください。接続が切れた瞬間に、暗号化されていない通信が流れるのを止める機能です。
NordVPN・Surfshark・Private Internet Accessは設定で切り替える方式なので、自分でオンにする必要があります。Mullvadは既定で有効になっていて、無効にできません。

VPNを入れると、どれくらい遅くなりますか?

当サイトが同じ回線で測った範囲では、残った速度は29.4%から95.1%まで開きました。
ただし元の回線が速いほど割合は下がって見えます。東京のMullvadは29.4%ですが、残っている速度は277Mbpsです。割合ではなく、残った速度が自分の用途に足りているかで見てください。

ノーログだと書いてあれば信じていいですか?

書いてあること自体は、各社とも同じです。差がつくのは第三者の監査を受けたと公表しているか、その監査が何を対象にしたかです。
当サイトが記録している範囲では、ノーログ方針そのものを対象にした監査を公表しているのは7社のうち3社でした。アプリやインフラの監査とは分けて読んでください。

会社で使うVPNとは何が違うのでしょうか?

目的が逆方向です。会社のVPNは、外から社内のネットワークに入るために使います。
この記事で扱っているのは、自分の通信を暗号化して外に出すためのものです。同じ名前ですが、つなぐ先が社内か社外かという違いがあります。

まとめ:届く範囲を知ったうえで重ねる

7社の公式データと実測から分かったことを並べます。

この記事で分かったこと

  • VPNが届くのは経路の1区間で、流出とフィッシングには届かない
  • ノーログ方針そのものの監査を公表しているのは7社のうち3社
  • キルスイッチが既定で有効・無効にできないのは1社だけ
  • 暗号化のあとに残る速度は29.4%から95.1%まで開く
  • 割合ではなく、残った速度が足りているかで見る
  • 遮断機能は一覧に載ったドメインしか止めない

対策の話は、どれも正しいぶん、全部やらなければいけない気持ちになります。
ただ、同じ場所を二重に守っても、空いている場所は空いたままです。どの手段がどこを受け持つのかが分かると、残りを埋める順番も決まります。

VPNはセキュリティ対策の1つです。ただし、万能の1つではなく、受け持つ区間が決まっている1つです。
受け持つ範囲が分かっていれば、残りをどこで埋めるかも決められます。

空いた穴は、漏洩の確認から順に埋めていくのがいちばん早道です。

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